さて、自分は大学卒業して1年間は、青森の競走馬の某育成牧場で現役競走馬の調教騎乗員で、馬に乗っておりました。この辺の話は、また、そのうち機会が、あれば書かせていただきます。
その後、2年目に北海道の生産・中期育成場に勤務します。あらかじめ白状しておきますと、基本、卒業してすぐの馬の獣医師ほど怪しい生き物は、なかなかおりません。大学にいる間、獣医学生は、もはや馬術部以外に馬を見ることは滅多にありません(大学のある環境によりますので、断定はできませんが・・・)
学生にその気がなければ、1秒たりとも大学で馬に触ることなく卒業できます。おそらく卒業してすぐの獣医さんに、馬は「何を?どのくらい?食べているの?」と、聞くと、『・・・・・・・・・・』と、なります。
何を?は、まだ『エンバク』『乾草』などの答えが返ってくると思います。しかし、どのくらい?は、まさに『・・・・・・・・・』ではないでしょうか?
自分も、不勉強の塊でしたから、競走馬が、何を?どのくらい?食べるのかは、それこそ、卒業後、正確に言えば北海道に渡ってから、ベテランの厩務員をはじめJRAの講習会や、栄養学の研究をなさっているような先生、研修先の大手の牧場などで初めて習いました。
自分自身の北海道での仕事は、獣医師と言うより、厩務員に限りなく近い仕事も多かったので、飼料で、こんなに馬が変わるのか!!と、あまり大きな声では言えませんが仕事と言うより、楽しく学ばせていただきました。当時、自分を自由奔放にさせていただいた、牧場の社長・場長には、今でも感謝しております。
さて、そんな競走馬の生産や中期育成(鞍を着けてトレー―ニングする前の馬の育成)でしたが、なぜか、そこには乗馬が何頭かおりました。
社長の娘さんが乗馬をしているとのことで、ある程度、年齢を重ねた馬が、お疲れ様ということで、悠々自適な生活をしておりました。厩舎に「パラダイス・ハウス」と、書いており、まさにパラダイスなわけです(笑)
同時に、場長の趣味だったらしく、ミニチュアポニーもおり、その他に当て馬(子供を産むのが仕事となる、お母さん馬の繁殖周期をチェックするための牡馬)などもおれば、なぜか日本では貴重なリピッツア種がいたり、そこいらの観光牧場なみに色々な種の馬がおりました。
しかし、この馬たち、馬の知識が不十分であった(今も不十分!?)な新米獣医のせいでパラダイスのはずが、大変な目に合いそうになります。
牧場に勤務し始めた新米獣医、2年目で初めて知ります。サラブレッドほど、栄養学的におかしな馬は、いないと・・・。続きは、次回となりますが、それに絡めて、ここまで読んでいただいた皆様へ、自分がトータルケアで伺わせていただくお客様の中に、ポニーと、家で一緒に暮らす方々が、いらっしゃいます。
そのポニーたち、中にはウドンやソバ、ご飯(炊いた白米)、コッペパン驚いたことに、中にはカレーまで食べているポニーがいます。正直、カレーには大変驚きましたが、まあ、食べてその子に問題がないのなら、特に気にすることはないかもしれません。
では、そのポニーたち、そのウドンやソバ、ご飯、カレー(笑)、どのくらいの量を食べても大丈夫なのでしょうか???
次回から、そのあたりを含めて本格的に、馬の栄養の話をしていきたいと思います。
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