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獣医師・歯科医師の部屋 基礎知識
トータルケアってなに?

   ・ 装蹄師と獣医師の協力で出来る事     ・ 獣医師のもう一つの顔    ・ 改装期間について



〜装蹄師と獣医師の協力で出来る事〜

   皆さんは愛馬の状態を診てもらう時に、肢や蹄だと装蹄師に、体躯部分だと
  獣医師
にと思っていませんか?
馬の体は膝から上と膝から下は別々ではありません。
   全ての筋肉や骨が複雑に絡み合っています。
獣医師と装蹄師お互いが協力をすれば、
   もっともっと効率の良い治療が行えます。

   腱炎・軟種・関節炎・骨留等いろいろな疾病がありますが、いまの認識からしますと
   殆どが装蹄の失陥とされています。確かに装蹄の失陥は原因の一つとしてあげられ
   ます。
しかし一つの疾病には運動量・馬の体質・年齢・疲労度合いなどいろんな要素
   絡んでいます。
    
   例えば、蹄だけが原因だと思われる跛行であっても、その殆どが蹄だけが原因で起こって
   いるのではありません。(もちろん、蹄からくる跛行も中にはあります。)
   跛行や軟腫(なんしゅ)などの原因の殆どの場合が、筋肉痛や関節痛、腱炎や筋炎、
   疲れなどです。

   そのような原因があればうまく歩くことができなくなります。
   歩きのバランスが崩れれば、それを支える肢や蹄にも負担がかかり、バランスも崩れて
   いきます。

   装蹄だけで直すのではなく、筋肉や関節の治療だけで直すのではなく、装蹄師と獣医師が
   情報を共有し、同じ目的の為に協力すると、
別々に対応するよりも正確で効果的な装蹄や
   治療
を行うことが出来ます。

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   〜獣医師のもう一つの顔〜〜馬専門のスポーツドクタ〜

   誰もが思う獣医さんの本業は、外科的な治療や内科的な治療だと思います。
   もちろんその通りなのですが、それだけと言う事でもないのです。
   獣医師さんのもう一つの顔・・・それは、
馬専門のスポーツドクターです。

   競走馬や乗馬等の競技の違いによる使う筋肉、関節の動き、運動量の違いを、理解して
   いきましょう。私たちの体格や体力が一人一人違うように、馬も一頭一頭骨格のバランスや
   体力が違います。たとえ同じ競技をしていたとしても、馬一頭ごとに運動による疲労個所が
   違う事を知っていきましょう。

   馬の運動生理学の知識を元に、
痛んでいる筋肉や関節に対するケアや、怪我や病気にも
   対応
します。
   装蹄師と一緒に馬を診る事により、装蹄師しか感じられない情報も、共に
総合的に判断
   下して、
治療に反映することもできます。

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   〜改装期間について〜


   蹄は一ヶ月の間

   ・約10ミリ伸びます。
   ・蹄鉄との間で擦れ摩滅を起こために潰れていきます。
   ・蹄鉄は地面と擦れ摩滅していきます。

   
改装期間が長ければ長いほどバランスは崩れていき、蹄や肢、馬体にストレスがかかります。

   現在ほとんどの方が、蹄鉄が減りすぎて限界に達し無い限り、装蹄をしないと思います。
   しかし、蹄鉄が減りすぎている状態というのは、蹄はかなり伸びそして潰れている状態なの
   です。その状態から装蹄をすると、一気にバランスは直り、ストレスから開放されますが、この
   
差が大きすぎると逆に疾病の原因になりかねません。

 右の写真は、削蹄の時に
 鎌で切り取る一枚の薄さ
 です。反対側が透けて見え
 る位の薄さです。

 削蹄の時はその位の違いに
 気を張っています。













 これは約一ヶ月後の装蹄
 の時に蹄を切った量です。

 約一ヶ月で蹄はこれくらい
 伸びます。(馬の健康状態や
 気温や湿度、個体差により
 様々です)














   動けなかった状態から動ける状態へ、動けなかった為に発症しなかったものが、動けるように
   なったため発症したものなどです。
   出来るだけ蹄の変化の少ないように、改装期間を短くした方が馬にとって良いと思います。

   鉄の減らし方、蹄の伸びや潰れ具合は馬によりことなりますので、馬の状態により対応して
   いこうと思います。


  
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