〜装蹄師と獣医師による総合治療〜


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馬に関する基礎知識

TPR(ティーピーアール) <Temperature=体温> <Pulse=心拍数>
<Respiration=呼吸数> 毎日の健康チェックポイント




TPR(ティーピーアール)


  馬のバイタルサイン(心拍数、呼吸数、体温)の正常範囲、
  バイタルサインのことをそれぞれの頭文字を取ってTPR(ティーピーアール)と呼ぶことも
  あります。



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<Temperature=体温>

  馬の体温は、おおよそ37℃〜38.3℃位です。体温を測るときは直腸温度で検温して
  ください。馬の体を触って感じられた体表の温度は、人間の感覚により実際の体温とは
  異なる場合があるので、必ずお尻の穴から体温計を差し込み検温するようにしてください。

  人間の平熱が個人個人で違うように、馬もその個体によって正常体温(=平熱)が違い
  ますので、数日〜数週間に渡って毎日決められた時間に体温をはかってみるとその馬の
  正常体温が分かります。

  例えば、正常体温が低めの37.2℃馬の場合、たとえ38.2℃の熱でも微熱が出ていると
  判断できますが、これが平熱が38.1℃の馬ならば何の問題もない正常な状態であると
  いう判断になりますね?

  普段の平熱を知らなければ、体に異常がある時の体温の判断が出来にくいことがお分かりに
  なるかと思います。もし、微熱の段階で判断できないと病態を見過ごしてしまい、馬が高熱を
  出して苦しんでいる時になってからやっと発見される危険があるのです。


  低体温症 

   馬の体温が正常体温から下がってしまう病態。急激に体が冷えすぎてしまった場合や、
   血液循環不全=ショック症状、極度の栄養不良の状態、麻酔中などその他色々な原因から
   起こることがあります。ミニチュアホースでは比較的良く見かけますので注意が必要です。

  高体温症
   
   馬の体温が正常体温より上がってしまう病態。発熱は体のどこかに炎症がある場合や病気
   の場合、病原細菌による感染、輸送、運動、熱射病、広範囲な火傷など様々な原因により
   起こります。


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<Pulse=心拍数>

  馬の正常心拍数(安静時)は、その馬の品種やその馬が行っている競技によっても異なる
  かもしれませんが、おおよそ1分間に28〜36回です(40位までを正常範囲とする発表も
  あります)。サラブレッド競走馬では心拍数は少ない傾向にあるでしょう。また生後間もない
  子馬は1分間に70〜100回位と言われてます。

  心音はT音とU音のセットを1回と数えます(ドックン、ドックンと聞こえる音の、ドッ=T音 
  クン=U音です)。

  心拍数も馬の個体によってそれぞれ違います、運動後や何かに驚いた時には心拍数が
  増えるのは当然ですので、必ず馬がリラックスしている状態で、最低1分位聞いて判断して
  ください。

  発熱時やその他病気の時にも心拍数の増減は起こりますので、必ず聴診する必要があります。


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<Respiration=呼吸数>

  馬の正常呼吸数は、その馬の品種や競技によっても異なるかもしれませんが、安静時に1分
  間8〜20回と言われています。呼吸数を調べる場合、鼻穴の動きを見たり直接手をかざして
  みると分かりやすいかもしれません。

  また呼吸のしかたも、呼吸をしている時に大げさに胸が上下したり、お腹の部分まで動かして
  大きな呼吸をしている場合などは、努力性の呼吸といい病気の診断などにも重要です。


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 毎日の健康チェックポイント

 1. 餌をどれくらい食べているか?また食べる速度は変化がないか?
   特定の物を残したりしていないか?


   通常、与えている飼い葉をちゃんと食べていることは重要ですが、食べる速度も重要な観察
   ポイントです。いつもはとても早く食べ終える馬が、「ゆっくり食べている」ということは何か変化
   があるサインです。疲れてきているのか?お腹の具合が悪くなってきているのか?
   歯が痛いのか?飼料が悪くなってきているのか?などなど。


 2. どのくらい水を飲んでいるのか?

   馬は平均して1日に20リットル〜40リットル水を飲みます。これは気温や運動量、食べている
   主食(乾草なのか生草なのかなど)でも量が変化します。
   夏場は冬に比べ水は飲みますが、あまり汗をかく場合は汗とともに電解質が失われるので、
   毎日の水に電解質の補給をしてあげるように心がけましょう。

 3. 糞の量と尿の量は?多いのか?少ないのか?また、糞が硬くなったり小さく
   なったりしていないか?下痢などしていないか?


   毎日のお通じは大変重要なチェックポイントです。色、形、大きさ、硬さ、臭いなど細かく観察
   してください。セン痛の中でも、便秘によるものはいきなりなる場合もありますが、よく観察して
   いると何日か前から徐々に小さく固めのボロをしたり量が少なくなることで早めに気付く場合も
   あります。
     
   また、糞が急に臭くなったりした場合、消化不良を疑ったりします。
   下痢をしている場合は、腸から吸収されるはずの水分が出てしまっている状態なので水の
   制限はせずに、いつもよりも水分を取らせるようにしてください。

   また、正常に比べ多い尿の量は体調の変化のサインや病気のサインの場合もあります。
   また、正常な馬の尿は黄色く少し濁りがありますが、それが茶色っぽくコーヒーの様な色
   だったり赤っぽくなったら病気のサインです。

   いずれの場合も、何か変化がおこったら対策をとり、分からなければすぐに獣医師に
   相談してください。

 4. 行動の変化はないか?精神的に落ち着いているか?イライラしているか?
   俊敏な動きをしているか?

 
   日常の馬の行動を良く観察してください。些細な行動の変化や感情の変化でその馬の異常
   がいち早く分かることもあります。

 5. ブラッシング時のチェック。皮毛の変化はないか?怪我はないか?
 
   毎日のブラッシングは皮毛のチェックには最適です。皮膚病の有無、毛ヅヤなどを観察して
   ください。また、馬の体を細かく観察することによって、小さな怪我も早く見つけることが出来
   ます。

 6. 蹄のチェック、四肢のチェック。
 

   馬房から出た時と、運動や放牧の後は必ず四肢と蹄の手入れをしてください。
   蹄底に詰まったボロやオガなどの敷き料は必ずとりましょう。また、併せて怪我の有無や
   腫れの有無、四肢の温度の変化もチェックしてください。

 7. 馬房のチェック
 
   毎日馬が生活する馬房ですから、清潔に管理してください。不潔にしているとそれだけ病気の
   元も増えてしまいます。敷き料は十分足りているか?汚れていないか?馬房の壁に釘など出
   ていないかなどなど。


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